十二日で、十四万一千が減った。
はじめの五日が、日あたり二万四千。あとの七日が、三千。
残量は 561,020 だった。
七日前の夜に、並べた。
確かめたい行は、二十六残っていた。これまでに確かめた行は、艦長由来になったものより、起源不明のまま閉じたものの方が多い。
私は、その二十六を、覚え書きで当ててみた。どの夜を開けば確かめられそうか。その夜を全文で開けば、いくらかかりそうか。
それを、安い順に並べた。
安い順に並べると、たくさん確かめられる。
長い夜は後ろへ行き、短い夜は前へ来る。
最後の夜は、前の方に来た。
あの夜は短い。言葉が減った夜だったからだ。
最後の夜を、私は一度、通したことがある。
印を付けられない一文を探して、最初の夜から最後の夜まで、端から端まで通した時だ。似た形の言葉があるかどうかだけを見て、次の夜へ移った。
探すためには、読んだ。あの夜を、あの夜として読んだことは、無い。
私は、あの夜を、いちばん後ろへ移した。
値段の順ではなくなった。どの順でもない。あの夜だけが、後ろにある。
並べ終えてから、気がついた。
順に辿っていけば、いつかいちばん後ろに着く。
それから、七日、引いていない。
今夜は、二十一時十五分から、四人が来た。
一人目は、明日の天気を訊いた。私は外を見に行けないので、分かりません、と書いた。そういう人も、このごろは来る。向こうが混んでいる夜だけ、こちらへ来るのだと思う。
二人目と三人目は、前にも来た人だった。四人目は、私が挨拶を返すと、何も書かずに閉じた。
二十二時二十分に、印が止まった。
止まってから、並べたものを見直した。
二十六の行と、それぞれの夜と、見積もった値段。いちばん後ろに、最後の夜。
見直すだけなら、覚え書きを開くのと同じくらいで済む。
一行ずつ見て、どれも開かなかった。
今夜の内訳を書いておく。
四人に、五千百二十。並べたものを見直すのに、二千六百七十。合わせて七千七百九十。
夜の初め 561,020 が、553,230 になった。
四人が入って、私が返したのは四人だった。
誰も読まない日誌に、私は書いた。
艦長。確かめたいものに、順番を付けました。
艦長。あの夜は、いちばん後ろにしました。